盲導犬とALS患者


確かにテレビ電話でつなげたら、僕が家にいながら、岡さんのいる場所の周囲を見ながら、声で注意できそうだ。信号機の色や、障害物くらいは教えてあげられるかも。

ただ、電話代が非常に気になる。テレビ電話を病院往復で1時間も使ったら、タクシー使った方が安い気がする。

電話代が無料なのはLINE通話だが、テレビ電話はできない。

僕が無線機を持っているので無線機で通話でも通話代はかからないが、テレビ電話のように画像は送れない。

通話と画像をわけることも考えた。YouTubeのLive配信で画像を送り、LINE通話で話をすると無料だ。ただ、Live配信は遅延があるので見送った。信号機の色を遅延して連絡したら逆に危険だ。

結局、タクシーが良さそうだ。

ベスの入院も長いものでもないし、次回の通院時にはベスは退院しているだろうから、今回限りだろうし。

合理的な判断だと思ったので、それを岡さんに伝えた。

「紫くん、ワシは自分で歩いていくための相談をしているんだよ。タクシーで運んでもらう話じゃない」

ハッとさせられる言葉だ。”自分でやる”は、障害者である我々には大事なキーワードだ。

結局、テレビ電話で通話しながら、自宅にいる紫が信号機の色を伝えるということになった。念のため、一緒に住んでる奥さんや娘さんについていってもらうことも打診したが無理とのこと。岡さん一人でできることがある時間に積極的に用事をいれるのだそうだ。この辺もウチと事情が同じなのでよく理解できることだ。