盲導犬とALS患者


いつもいる場所にベスの姿がないと物足りないといういか、居心地の悪さを感じた。

ベスは毛並みがよかった。岡さんが念入りにブラッシングをしているいせいだ。「目が見えなくてもブラッシングはできるから」そう言っていた。

何があったか細かい内容は忘れてしまったが、とても賢い犬だなという印象を持っている。

岡さんからは、「ベスは家族だから」とよく言われた。”犬を飼っている”という言い方も気に入らないみたいだ。家族が増えた、と言っていたのだから、子供が一人増えたという感じなのかもしれない。

そんなベスが入院中で、岡さんは出歩く足をなくしてしまって困っていた。


病院まで僕がついていきましょうか?との言葉が出かかったが、歩くのに時間がかかるので、躊躇した。一緒に歩いたら2倍の時間がかかりそうだ。

「紫くんと、テレビ電話でつなげられればなぁ」

岡さんからぽろっと一言。

歩くのに苦労しているといつも話しているので、ついてくるのは無理だろうと察しての一言だろう。